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2013.8.7 | 東京海洋大学練習船と海鷹丸南極海観測を「子ども霞が関見学デー」で紹介しています! |
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2011.5.24 | 「みらい」(海洋研究開発機構)及び「照洋丸」(水産庁)乗船調査補助員募集のお知らせ |
2011.3.29 | 平成23年度4月より海洋学コースが開講されます |
2010.10.28 | シンポジウムを開催 いたしました |
2010.10.18 | ホームページを開設しました |
「海洋学(Oceanography)」は観測によるデータ取得を基盤として、システムとしての海洋を研究対象とする基礎科学です。海洋には流動や熱収支などに関わる物理過程、物質の変化や輸送に関わる化学過程、生物群集の動態に関わる生物過程がありますが、これらの過程は統合した1つのシステムとして機能しています。
この「海洋システム」は気候変動プロセスにおいて極めて重要な役割を果たしています。地球温暖化に伴う様々な変化は、海洋システムそのものにも及びつつあることが示されています。このため海洋システムの観測・モニタリングを実施することは緊急の国際的な課題となっており、各国が研究リソースを拠出しあう形で多数の国際共同観測・研究が行われています。我が国の貢献も大きく期待されているところですが、その意味でも海洋観測を担う人材を育成するプログラムは極めて大きな意味を持つと考えます。
海洋観測は、このような海洋システムのモニタリングだけでなく、水産資源調査や、水質汚濁・生態系破壊などのモニタリングやアセスメントにおいても重要な役割を果たしています。海洋観測では、船上という特異な環境下で、特殊な機材を用いて高精度のデータを取得することが要求され、また物理・化学・生物過程を統合した海洋システムの解析を行う素養も要求されます。これらの点から、人材育成にあたっては、長期間の計画的教育と実地(船上)での十分な訓練を中核とした専門性の高い教育プログラムが必要とされます。
幸い本学は、観測による海洋研究を専門とする教員を多数有しております。この教員集団が一体となることで、物理系・化学系・生物系全てをカバーした体系的海洋学教育の施行が可能であります。また、本学は6隻の練習船艇を保有しております。これらの練習船は海洋観測機能も有しており、国内外の海洋研究者による研究プラットフォームとしても有効に利用されて参りました。
本事業では、東京海洋大学の「海洋学」分野の教員を結集し、学部と大学院博士前期課程を連続してとらえた「海洋学コース」を設置し、物理系、化学系、生物系を統合した体系的海洋学教育プログラムを創設いたします。また、練習船を利用した国内外の諸機関との共同研究による先端的海洋研究の実施を教育機会としてとらえ、学生の観測・研究への参画を通じた実地訓練の機会を設定することにより、海洋研究・モニタリング分野で国際的に貢献できる技術者・研究者の育成に取り組みます。